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桜の夢

第20章 罠と告白

ようやくボタンがとまると、流星は私の手を引き歩き出す。

着いたのは桜公園のいつもの場所だった。

流星は私をベンチに座らせ、ジャージを手渡した。


「?ジャージ??」

「嫌かもしんないけど…これ着てろ」

「なんで?寒くないよ??」

「いいから!!…自分の状態くらい気づけ」


最後の方はよく聞こえなかったが、とりあえずジャージを受け取り着る。

そして隣に座った流星を見つめた。

ここでこんな風に流星を見るのも久しぶりだなあ…


「流星…助けてくれてほんとにありがとう」

「いや、別にいいさ」


そう言って流星はあのにかっとした笑顔になる。

久々に見たこの笑顔―。

私が見たくて仕方がなかったこの笑顔―。

私は嬉しくなって、止まっていたはずの涙が再び流れ出す。

それを見た流星は私の頭を優しく撫でてくれた。

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