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桜の夢

第20章 罠と告白

流星はいったん私を離し、ゆっくりと船橋さんに近づいた。

そして―


バキィッッッッ―――!!!


おもいっきり船橋さんを殴った。


「いって!何すんだ、この―」


反撃しようとした船橋さんを躱して、胸ぐらを掴み、低い声で言った。


「次、心愛に何かしてみろ。二度と立てねぇようにしてやるよ」


その声や表情は船橋さんを震え上がらせるには十分だったようで、船橋さんはそれ以上抵抗しなくなった。

その状態を確認すると、流星は戻ってきた。

そして私を見ると、顔を赤らめて目をそらす。


「り、流星…?」

「あぁ…なんだ、その……目のやり場に困るから、前閉じてくれない??」


言われた瞬間、なにを言われているか分からなかったが、ブラウスが全開だったことを思い出す。


「ひゃあっ!!」


瞬時に涙すら止まる。

私は急いでボタンをとめようとしたが、あせって時間がかかってしまった。

それでも流星は待っていてくれた。

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