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桜の夢

第4章 鈍感


「なんでって、小百合に糸屑なんて付いてなかったって言われたから…」

「間瀬め…」


ようやく落ち着いた流星は悔しそうに呟く。

なんで悔しそうなんだろう?


「でも、取ってくれたってことは付いてたんだよね?」

「……、…………、…………ああ」

「だよね!変なこと聞いてごめんね」


やっぱり小百合と分かれた後に付いたんだよ!

もう、小百合が変なこと言うから…。


「心愛って、マジ鈍感だよな…」


流星がそんなことを呟いたのを、私は知るよしもなかった。

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