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桜の夢

第9章 体育

「ねぇ心愛ちゃん」


前半と後半で別れた後、私達前半組は武道場に移動した。

ストレッチの最中、真緒ちゃんが私の背中を押しながら言う。


「ん~?なぁに~?」


私は身体が柔らかい方ではないので、必死に手を伸ばしながら答える。

すると真緒ちゃんは、周りに聞こえぬ様に私にこっそりと聞く。


「彼氏がいるって本当?」

「えっ?!いないよ!」


いきなり聞かれたので声が大きくなり、周りの視線を集める。

その大半が冷ややかなものだった。

同じクラスにもこんなに敵がいるんだ。

気をつけなきゃ。

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