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桜の夢

第9章 体育


「本当に?」


真緒ちゃんは、さっきより更に小さな声で私に聞く。


「ほんとだよ。私、今まで彼氏なんていたことないし」


私はさっきみたいに声が大きくならないようにして答える。


「そっかぁ…じゃあ、あの噂はデマなんだね」

「あの噂って?」


そこで真緒ちゃんとストレッチを交代し、今度は私が背中を押す。

真緒ちゃんの身体はとても柔らかいので、すんなりと胸が床に接する。


「あのねぇ」


真緒ちゃんはその状態で答えてくれた。

そんな体勢でよく喋れるなぁ…。

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