雪月花
第4章 保健室
それからというもの、俺はずっとイライラしていた。
というより、東城を見る度に、佐野からメールが来る度にイライラは募るばかりだ。
そして遂に限界に達した。
ガッッッ――……
「お、おい!流星!!」
後ろにいた誠司が慌てて飛んできた。
俺が殴った壁は蜘蛛の巣状にヒビが入り、中央は窪んでいる。
って、俺は何でこんなに冷静なのかね。
「お前、最近イライラし過ぎだ!」
「……」
仕方ないじゃんか…
俺にだってどうすればいいか、分かんねぇよ。
「あ、血ぃ出てる」
ふと見ると、壁を殴った右手からポタポタと出血していた。