雪月花
第4章 保健室
そしている内に話が終わったのか、カーテンの向こうの影が揺らいだ。
やばい!盗み聞きがばれる!
俺は慌ててカーテンを少しだけ開けて「すみません」と保健医を呼んだ。
「はーい!…じゃあ東城さん、今はゆっくり休みなさい」
そう東城に言うと保健医はカーテンから出てきた。
「あら…仲里君じゃない。どうしたの?」
「すんません。ちょっとやらかして…」
そう言いながら手を出す。
すると笑いながら手当てをしてくれた。
怪我は幸いにも(?)深くなかったようで、簡単な消毒だけで済むようだ。
「ありがとうございました」
「は~い。今度からは血が固まる前に声をかけてね~」
―――盗み聞きはばれてたようだ…。