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雪月花

第4章 保健室

そうか。


気付けば簡単なことじゃないか。


俺も踏み出せばいい。


佐野のことを流されるままにせず、ちゃんと踏み出して、けりを着ければいい。


東城にイライラする前に自分が踏み出さなきゃ…否定する資格なんかない。


東城心愛…惚れ惚れする位、凄いやつだ。


俺なんか到底及ばない…



「確かに立派な考えね…でも倒れてちゃ意味がないでしょ!」


「ですよね………すみません」


「謝るくらいなら"助けて貰う"じゃなくて"周りを頼る"!」


「そうですね…努力します」


「努力じゃなくてやるの~」



そのやり取りで少しだけ明るくなれた。


でもとりあえず…東城は周りを頼らなさすぎだな。


そこはなんとかしてやらないといけないらしい。


って何でここまで、俺は東城が気にかかるのだろう。

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