雪月花
第6章 佐野美紀
「あぁそう…そうですか!分かったよ!!ふざけんな、馬鹿!!!!」
バシッッ―…
いきなり過ぎて分からなかった。
でも左頬の痛みで、ようやく自分が叩かれたことに気がつく。
何も仕返しをするつもりはない。
ただ佐野を冷たく見下ろした。
佐野は俺をキッときつく睨み、どこかへ行ってしまった。
佐野がいなくなってようやく息を吐き出す。
これで済んだならマシな方だろう。
これで終わり…のはず。
ようやく終わりのはず…
そう思いながら俺はその場を後にした。
叩かれたけど、心はすっきりしていた。