雪月花
第6章 佐野美紀
「い、いいじゃん!誰だって自分を綺麗に見せたいんだよ!!」
佐野が叫ぶ。
なんだか聞いていると、心が更に冷めていく。
「こんな可愛い娘と付き合って何が不満なの?!…それとも何?好きな人でもできたの?」
佐野は最後は吐き捨てる様に言った。
そう言われて一瞬浮かんだのは
東城。
いやいやいや…なんで東城?
おかしいだろ、俺!
確かに心配したし、尊敬はしてるけど…
「…そんな訳ない。好きなやつなんていねぇよ」
何とか誤魔化した…つもりだ。
何故だか顔が赤くなりそうなのを必死に抑える。