
南の龍
第2章 出会い
そのとき後からドンッだかバンッだかの音が聞こえた。
後ろを振り向くとそこには
「楠木!な─…」
「木下!今南龍が来てる」
「な…南龍?なんじゃそりゃ韓流みたい感じ?」
「お前の記憶力はどーなってんだよっ。前に言っただろ!南高(ここ)しきってる人たちだよ」
「あー、なんか前に言ってたな!」
「あぁ!言った!」
「てか、それがどーした?」
「どーしたって……刻さん達が学校にくるとか滅多にないんだよ!」
「ふーん。てかトキって誰だよ」
「南高しきってる人で一番強い人だよ!トップだトップ!」
「あぁ、はいはい分かった分かった!」
「お前興味ないのか?」
「興味あるとか無いとかって言うより、それがどうしたんだって感じ。」
「お前にはこの凄さが分からないのか?」
「それは、あれだ。男子がおままごとの楽しさが分からないのと一緒だよ」
「全然ちげぇよ!お前刻さん達の顔見てないのか?」
「ん〜?見たような見てないような感じ。アイドルみてぇなやつは見たよ」
「それだよ!それ!見てんなら尚更お前はおかしいだろ」
「そーいわれ─…」
私が言葉をいい終わる前に木下は私の腕を掴んで走り出していた。
