南の龍
第2章 出会い
木下に連れてこられたのは校門前。
いや、学校の敷地側だけとね。
そこにはさっきまでと変わらず人だかり。
なんだよ。何様のつもりだよ。
いや、女子じゃなくてトキとかいうやつ。
「美椰聞いてる?」
「ん?なにが?聞いてなかった」
「お前なぁ…」
「ははは。落ち込んでやんの!楠木が拗ねた」
「だから、木下だっての」
「知ってるしぃ!わざとだし」
「どうだか」
「てか、なんかイケメンが近づいてくんだけど!木下に用なんじゃない?てか、かなり顔しかめてるけど怒ってんのかな?マジ、ウケるんだけど」
私が爆笑していると木下が私の口を後から手で塞いできた。
「んーんん(なんだよ)」
「黙れ」
「んん、んんんんん?(お前何様だ)」
「マジ、黙れ」
いや、黙れと言われたら黙りたく無くなるのが人間でしてね。
私は、木下の腹にパンチを思い切り入れた。
殴ったと言うより肘で突いた。