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南の龍

第15章 恐怖


涙はだんだん乾いてきたが息づかいは荒くなる一方だ。

意識もだんだん遠のいていく。


どれくらいしたのか分からないが私にとっては長い間だった。

じじぃがやっと来た。

じじぃは急いで私にかけよってきて、若干手荒に私を担いだ。

そして、車に乗せられた。

多分高野組専用の小さい病院に行くのだろう。

小4のときはそこに行った気がする。

組と分かられると大抵の病院は断られる。


私は、あのとき…母さんが亡くなったときどこの病院にいたんだろう…──。


私の意識はそこで途切れた。

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