南の龍
第15章 恐怖
「それだけ喋れるなら大丈夫だ」
「……」
「でも、念のため明日まで入院してもらう」
「無理」
「ダメだ」
「大丈夫だって」
私はそう言ってベットから起き上がる。
「はぁ、分かった。けど話は聞かせてもらう」
「話?」
「何か思い出したんだろう」
「…何も」
「言わないと明日までいてもらうぞ」
「……」
「聞かせろ」
「ちっ」
私は、本日二回目の舌打ちをする。
「で、何を思い出した?」
「お前は私の過去知ってんのかよ」
「そりゃぁ、俺は良と昔からの付き合いだからな」
「……じじぃに言うか?」
「言われたくないのか?」
「いや、そうゆう訳じゃないけど」
「心配かけたくないんだろ」
「……」