テキストサイズ

南の龍

第5章 兄貴

「おい、お前何やってるんだよ!」

「約束通り金を貰ってる」

「俺は美椰に負けてねぇぞ」

「何?聞こえない」

「おまっ!金を返せ!」

私は、追いかけてくる美織から急いで逃げた。

自分の部屋に入れば自分の物だ。

美織がバンッとドアを開けた。

ドアと言ってもうちは和風……和室だから襖だけど。

「金返せ!」

「人の部屋に勝手に入ってくるんじゃねぇ!」

「あっ?まだ、入ってねぇよ!」

「まだって、入るつもりだったのか!このシスコン!変態!こんにゃく!」

「おい、他のは認めたとしても俺はこんにゃくじゃねぇ!」

「シスコンを一番否定して欲しかった!」

「俺はこんにゃくを作るこんにゃく粉になりたい!」

「知らねぇよ!しかもなんだよその花を作る土になりたい!みたいな!」

「お前いいこと言うな!我が妹ながら嬉しいよ、兄ちゃんは」

「はいはい、もう消えてね」


私は、そーいって襖を閉めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ