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南の龍

第6章 事件


一人がバイクから降りる。

「喧嘩上等だぜ」

私は、そー言って戦闘体制に入る。

でも、向こうが取り出したのはナイフ。

「おいおい、そりゃ反則だ」

「関係ないね。拐えたらなんだっていい」

「危ないやつだな」

「油断してたら拐われるよ?」

優しい口調だけど言ってることは悪魔だ。

いや、悪魔より怖い。


でも、私はほんとに油断してた。



後ろから口に布を押さえつけられた。

意識が段々遠退いていく。

ダメだって思っていても、身体に力が入らない。


私の意識はそこで途切れた─……。

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