南の龍
第9章 祭り
待ってられないけど、待つしかないよな……。
人混みはあんまり好きじゃないけど祭りは好きだ。
わたあめとかかき氷は食べないけど、他は食べまくる。
そして、フィナーレの花火が一番好き。
ともかく祭りと言うものは大好きなのだ。
だから、私は時計を凝視してまだかまだかと待っていた。
「輝!あと30分だ!」
「美椰、すごいテンション上がってるな!かわいい」
いや、輝にかわいいとか言われたくない。
輝の方がかわいいよ。
「今日は輝より美椰の方がうるさいだろうな」
俊が言った。
「だって、祭りだぞ!?楽しまなきゃ損じゃん!」
「あー、そーだな」
俊がクスッっと笑った。