南の龍
第9章 祭り
「着いたぞ。降りろ」
私は、刻の声で我に帰った。
「おぅ!」
バイクからピョンッと飛び降りる。
まだ、5時30分くらいだから空は明るいけど、祭りの雰囲気が漂っている。
「美椰!早く行こうぜ!」
輝はもう行く気満々で、制服のシャツの袖を捲っていた。
だから、私も輝の真似をして袖を捲る。
そして、輝の近くに走りよった。
「何から食う!?」
「そーだな〜、やっぱからあげだろ!」
「よし、じゃぁ行こう!」
「刻と俊も行くぞ〜!」
私は、バイクに体を預けながらタバコを吸っている二人に声をかけた。
すると、二人はやれやれといった感じで私達のところに来た。