南の龍
第9章 祭り
「刻!俊!焼きそば買ってきたよ!」
「よぉ〜!輝!久々じゃねぇか!その焼きそばよこせ!」
「うわっ!瑠樹もいたの!?」
「あ?悪いか?」
「いや、悪くはないけど……」
「けどなんだ?」
「いや、なにもない」
「男ならはっきりせんかい!」
知らない男と喋ってた輝がおもむろに私に目を向けた。
すると、男も私の方を見た。
「えっ!?私!?」
私は訳がわからず変な声が出てしまった。
「な、なんだよ!?」
二人は私を見たまま何も言わない。
なぜか、静寂が私達を包んだ。
遠くで祭りの楽しむ声だけが聞こえる。
……気まずい。