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第2章 二

肩を揺すられ、僕は目を覚ました。

いつの間にか寝てしまったようだ。

「起こして悪い。そろそろいいかな?」

僕はのろのろと身を起こす。


いつの間にか、部屋の中が薄暗くなっている。
 頭がぼんやりして意識がはっきりしない。

彼が僕を見る。

 顔が近くて、目が覚めた。

「屋上に行こうか」

心臓がドキドキしてる。

落ち着け。

何をそんなに焦っている?

これでは彼を意識しているようではないか。

自分にいい聞かせるようにして、言った言葉に今度は戸惑う。

「どうしたの?」

不思議そうな彼の顔。

「な、なんでもないです」

そう、と彼は呟き、先に立って屋上に上がって行く。

鉄の扉を開くと夕日が見えた。

「昼間と同じ順で、同じ写真を撮るよ」

彼に言われ、僕は同じポーズをとる。

僕の顔や身体が夕日に照らされる。

彼は無言でシャッターをきっている。

真剣な表情。

一通り撮り終わるとカメラを置き、息を吐いた。

そして僕の指を見つめる。

「きみの指は綺麗だね」

そう言って自らの指を僕のそれに這わせる。

くすぐったい。

彼の指が絡められる。

そんなこと普通にされたら気持ち悪いだけだ。

女の子とそうするならいいけど、男とするなんて考えたことない。

それなのにこの人とは嫌じゃなくて。

自分自身に戸惑う。



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