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第2章 二

夕日が沈み、辺りはネオンに照らされる。

僕と彼は屋上の椅子に座ったまま、ぼんやりとそれを見ていた。

「疲れた?」

彼が聞く。

僕はゆっくり首を振った。

「そう。ずいぶん緊張していたみたいだから」
確かに緊張はしてる。

撮影なんてはじめてで。

どうしてこんなことをしているのか、承諾してしまったのか、わからない。

何故、僕は…。

僕の容姿は人目を引くことなどない。

彼が言った"指"だって特別綺麗なわけでもない。

普通に考えれば、ヤバい誘い。

頭ではそう思っていても、来てしまった。

「どうしたの?ぼんやりして」

「何でもないです」

「君、泊まりは大丈夫?」

「えっ?」

「これからまだ撮りたいものがあるんだ。たぶん遅くなる」

「…」

一瞬、心臓が止まるかと思った。

今もドキドキしてる。

僕はいったい…。

彼は僕を見て笑う。

楽しそうに。

戸惑う僕。

笑う彼。

僕は。

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