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第2章 二

彼の部屋に入り、昨日と同じようにソファーに座る。

テーブルの上にはティセット。

「今日から撮影させてもらうよ。まずは屋上で」

彼はポットに湯を注ぎながら言う。

「君、名は?」

そう聞かれ、自分がまだ名乗っていなかったことに気づいた。

「…隼人、結城隼人といいます。すみません」

彼は口の中で僕の言葉を復唱する。

彼はカップを差し出しながら、微笑んだ。

ドキッとする。

何故だ。

「もしかして緊張してる?」

「いえ、そんなことは…」

「昨日より口調が硬い」

言われて気づいた。

そう…そうかもしれない。

彼が僕の手をとる。
鼓動が早くなる。

何故…。

彼を見ているとこんな変な感じになるのだろう。

僕は僕自身に戸惑う。

そんな僕の思いに気づかない彼は、自分の手の平に僕のを重ね、観察するように見つめている。

「思ったとおりだ」

満足したような微笑み。

「それでは撮影をはじめよう。ついておいで」

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