RAIN
第8章 告白《翔side》
階段を駆け降り、手ぶらのまま校舎を後にする。
目指すは昨日訪れた場所。公園の先にある、愛しいあの人がいる小さなアパート。
だけど心はあの人の元へと急くが、身体は心とかけ離れ、思うように進まない。
やはり体調が悪化してるのは否めない。
再び頭痛が俺を襲う。不調により身体は重く、やっと到着した目的地の前で中腰になって乱した息を整えようとする。拓海さんまであと少しなのに、なぜかとても遠く感じる。
霞んでくる視界を無理に瞳孔を開いて、階段の手摺につかまりながら二階へとあがっていく。
拓海さんがいるであろうドアの前に立ち、深呼吸をする。拓海さんはいるだろうか? もしいるなら、このドアを開けてくれるだろうか? 再度蘇る大きな不安の波。また拒絶されたらどうしよう。立ち直れないかもしれない。
しかしネガティブ精神を無理に押しやる。もう迷わないと決めたんだ。もう後悔しないために、俺は自分の想いを伝える。そのためにきたんだ。
震える手をドアへと伸ばし、コンコンと申し訳程度にノックする。
しばらくして小さく「はい」と中から声が聞こえてきた。
間違いない、拓海さんの声だ。拓海さんがいた。途端に心臓がどきん、と大きな音を鳴らした。
「あの……、神崎です……」
「…………え…………?」
俺が訪ねたことが信じられないようだ。
目指すは昨日訪れた場所。公園の先にある、愛しいあの人がいる小さなアパート。
だけど心はあの人の元へと急くが、身体は心とかけ離れ、思うように進まない。
やはり体調が悪化してるのは否めない。
再び頭痛が俺を襲う。不調により身体は重く、やっと到着した目的地の前で中腰になって乱した息を整えようとする。拓海さんまであと少しなのに、なぜかとても遠く感じる。
霞んでくる視界を無理に瞳孔を開いて、階段の手摺につかまりながら二階へとあがっていく。
拓海さんがいるであろうドアの前に立ち、深呼吸をする。拓海さんはいるだろうか? もしいるなら、このドアを開けてくれるだろうか? 再度蘇る大きな不安の波。また拒絶されたらどうしよう。立ち直れないかもしれない。
しかしネガティブ精神を無理に押しやる。もう迷わないと決めたんだ。もう後悔しないために、俺は自分の想いを伝える。そのためにきたんだ。
震える手をドアへと伸ばし、コンコンと申し訳程度にノックする。
しばらくして小さく「はい」と中から声が聞こえてきた。
間違いない、拓海さんの声だ。拓海さんがいた。途端に心臓がどきん、と大きな音を鳴らした。
「あの……、神崎です……」
「…………え…………?」
俺が訪ねたことが信じられないようだ。