君の声に恋をした
第1章 序章
~ ♪きっとあなたが 前を見たとき ~
「はい もしもし~」
― この曲。花山カントリーだ 着うた同じ
すれ違った男の子を横目で見る
― あ、かっこいい
「だからさあー今日は無理って言ってるでしょ!は?いやいやだから――」
― 二年生かな あんな子いたっけ
篠山 唯 高3 受験生
普通に友達もいて 普通に勉強して
とにかく普通。普通の女子高生
「唯~ どーした?具合悪い?」
「ん? 大丈夫、元気」
「そう? 早くしないとパン売り切れちゃうよ?」
「あ"!!忘れてた!!」
特に夢なんて無かったし
平凡な日々を送ってた
あいつに会うまでは