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暗黒の水位が下がり、次第に視界がはっきりしてくる。
どうやらあのまま寝ていたらしい。
消えない…。宙賊達の最後の思念。
家族のいるもの、これから新しい家庭を築こうとするもの、たくさんの友に囲まれていたもの…。そのどれが、誰に当てはまるかなど知るすべもない。
だが、命が失われた。この世に生まれ落ち、矛盾と不条理の充満するこの混沌とした世界で、微かな希望にすがるために生きてきたその魂が、簡単にその灯火を途絶えさせた。
軍は彼らを駆除するように命じた。
人が人を駆除する、人はいつから神になったのか、殺さずともよかったのではないか…？
彼らとて人間、家族や大切なものを守るために戦ったのかもしれない。
宙賊という非合法の行いをした事実はぬぐえない。しかし、チャンスを与えることはできなかったのか…？
サイコミュを通して、普段の何倍にも鮮明に聞こえた残留思念。
そのものの存在をこの世に残す記憶の断片となって、脳裏にこびりつき剥がれない。
仕方がなかった…こっちだって守らなきゃならないものがある。
自分に言い聞かせるように、考え方を変えることにした。