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君~タイセツサト、トウトサ~

第6章 第五章

郁-Iku-

あーぁ
やべぇな。

ちょっと限界に達してきたか?

郁:「ゲホッゲホッ」

璃:「郁!大丈夫か?」

郁:「ゲホッ、あ…ぁ」

泉:「水買ってくるね?」

璃:「頼む…」

迷惑かけっぱなしだ…

薬のせいで髪も抜けるしよぉ

俺は自分の髪を手でとくと
指先に絡まる髪の毛を見て
鼻で笑う。

璃:「お前なら大丈夫だ…」

璃木…。

郁:「ちくしょうっ
  ぜってぇまけぇ
  こんな意味のない病気なんて
  ぜってぇまけぇ
  ………負けたく…ねぇよ…っ」

ギュッ

璃木は、何も言わず
俺を抱き締めてくれた

璃:「お前はこんな病気でなんか
  死なない、信じろ!」

郁:「ちくしょうっっ
  美成子おいて死ねるかよ…っ」

璃:「そうだ、お前には美成子が
  待ってるだろ?
  絶対死ぬんじゃねぇぞ?」

郁:「あぁ」

またくる

郁:「ゲホッゲホッ」

璃:「大丈夫か?」

俺の背中をさする

泉:「買ってきたよ…
  ここおいとくね?」

璃:「ありがとう…」

あきらかに
璃木も、泉木も元気を無くしてる
多分感じてるんだろな
もぅ、俺は長くねぇ

璃:「俺らそろそろ帰るわな?」

郁:「あぁ
  毎日毎日サンキュウな!」

泉:「明日は美成子も来るって」

郁:「そっか
  楽しみに待ってる」

璃:「じゃぁな」

ガラガラ

ドアを閉めた瞬間
泉木の泣き声が聞こえた

璃:「大丈夫だから」

璃木は、つぇよ

郁:「ちくしょうっっ
  死にたくねぇよ
  直ってくれよぉ…っ」

また長い長い夜が始まる

俺は夜眠るのが恐怖で
寝れない

ここで寝てしまったら
一生目を覚ませないかもしれない

明後日は美成子の誕生日か
サンも居なくなって。
美成子は、大丈夫なのか?

明日どんな顔で俺に会いに来るんだろ

元気にやってるかな?

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