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tall love

第4章 恋の始まり 悠騎side



結局今日も
成とは何もしなかった。



なぜだろう。



今になって
涙が頬を伝う。



止まらない。



泣いて泣いて
泣きまくった。




ずっと一緒に
いたのに
何で気づかなかったんだろう。




あんなに
近くにいながら
どうして
気づけなかったんだろう。


私はいつだって
気づくのが遅いんだ。




私はどうしたら
いいのだろうか。



苦しい






辛い






悲しい






寂しい







助けてよ。



いつもみたいにさ。





私をかばってくれていた
いつもの成で
私を助けて。






いつだって
頭の中は成だ。



あぁ今更
こんな大事なことに
気づくなんてな。














あぁ私は成が好きだ。




大好きだ。




成の思い切り笑う顔が
大好きだ。




優しい目が大好きだ。




少し低くなった
その声が大好きだ。




私をかばってくれた
その小さな背中が大好きだ。


ずっと一緒にいたのに…




あんなに近くにいたのに…



この時の私は
何も考えずに
ただ、走っていた。





成の気持ちなんか
考えていなかった。










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