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tall love

第6章 初めての恐怖 桜姫side





今日初めて
悠騎の喧嘩を見た。




原因は私。






悠騎は助けてくれただけ。




なのに私は…















この人を怖いと思った。





自分のために
自分のせいでこうなったのは
分かっている。


悠騎は私が
悲しんでいたり
苦しんでいたりすると
必ず助けてくれるから。


今回もそれなんだって
分かっている。



でも怖い。




いままでも
私を護るために
悠騎が喧嘩したことは
何度もあった。




でもそのたびに
見れないようなところに
逃がしてくれてから
喧嘩していた。




返り血には慣れてしまった。



でも殴られた人、
殴っている悠騎を見たのは
初めてだった。




悠騎は目を輝かせて
口元には笑みが浮かんでて
楽しそうに喧嘩していた。





こんな悠騎は知らない。




護ってくれただけなのか
心から喧嘩を
楽しんでいたのか
私には分からない。




全然知らない
悠騎の一面。



私は怖いはずなのに
その一面をもっと知りたいと
思ってしまった。










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