
麗しの蓮の姫~炎のように愛して~【BL】
第5章 天上の苑(その)
準基が傍に歩いてきた。
白馬の耳許で何やら囁きかけ、その背を優しく撫でる。大切な恋人を愛おしむかのような慎重で慈しみに満ちた仕種だ。
まるで、もう浄蓮が傍にいるのも忘れたように、熱心に馬に話しかけている。
この人は、この白馬が宝物なんだ。
別にたいしたことではないのに、そう思うと、自分だけか爪弾きされたような嫌な気分になった。
何だよ、これじゃ、まるで俺が馬に妬いてるみたいじゃないか。
苦笑いしかけた時、唐突に、一つの想いが真っすぐに心の底に落ちてきた。
まさか、俺はこの男(ひと)が好きなのか!?
馬鹿なと、自分で懸命に否定した。いや、否定したかった。
幾ら並外れた女装癖が高じて妓生を志願したとしても、自分は正真正銘の男なのだ。これまでだって、同性に時めいたことも、欲情したことも一度だってない。
自分は至って健全な十五歳の男のはずなのに、それがよりよもよって同じ男に惚れたなんて、あるはずがない。
断じて、あってはならない。
でも、ひとたび気づいてしまえば、実は、ああそうだったのかと納得できる節はたくさんあった。
秀龍に強引に口付けて、他の男との仲の良さを見せつけようとした半月余り前のあの日から、この男のことを考えない日が一日としてあっただろうか。
何かあったときには、必ずこの人の面影が脳裡をかすめた。誰よりも逢いたいと思い続けてきた。そう、今までは浄蓮の中で最上位を占めていた義兄秀龍よりも。
けして準基を忘れられなかったこの二十日間を振り返るにつけ、流石に浄蓮も心の中の想いを認めざるを得なかった。
俺は、やっぱり、この男が好きなんだな。
白馬の耳許で何やら囁きかけ、その背を優しく撫でる。大切な恋人を愛おしむかのような慎重で慈しみに満ちた仕種だ。
まるで、もう浄蓮が傍にいるのも忘れたように、熱心に馬に話しかけている。
この人は、この白馬が宝物なんだ。
別にたいしたことではないのに、そう思うと、自分だけか爪弾きされたような嫌な気分になった。
何だよ、これじゃ、まるで俺が馬に妬いてるみたいじゃないか。
苦笑いしかけた時、唐突に、一つの想いが真っすぐに心の底に落ちてきた。
まさか、俺はこの男(ひと)が好きなのか!?
馬鹿なと、自分で懸命に否定した。いや、否定したかった。
幾ら並外れた女装癖が高じて妓生を志願したとしても、自分は正真正銘の男なのだ。これまでだって、同性に時めいたことも、欲情したことも一度だってない。
自分は至って健全な十五歳の男のはずなのに、それがよりよもよって同じ男に惚れたなんて、あるはずがない。
断じて、あってはならない。
でも、ひとたび気づいてしまえば、実は、ああそうだったのかと納得できる節はたくさんあった。
秀龍に強引に口付けて、他の男との仲の良さを見せつけようとした半月余り前のあの日から、この男のことを考えない日が一日としてあっただろうか。
何かあったときには、必ずこの人の面影が脳裡をかすめた。誰よりも逢いたいと思い続けてきた。そう、今までは浄蓮の中で最上位を占めていた義兄秀龍よりも。
けして準基を忘れられなかったこの二十日間を振り返るにつけ、流石に浄蓮も心の中の想いを認めざるを得なかった。
俺は、やっぱり、この男が好きなんだな。
