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秘密の時間

第21章 ◇帰路

「でないの?」
松田さんの声で我に返る

「あ、ウン
…ちょっとごめん…」




「はい、もしもし


…うん、買い物してたの


今どこ?




……ウン、わかったよ、気をつけてね」




携帯を耳から離す
大きく深呼吸をした。



「さくら?大丈夫か?」
苦笑いの松田さん

「あ、ウン、大丈夫」
大丈夫と言いつつも、きっと顔は強張っていただろう…

「無理するな(笑)もう帰った方がいいな」

誰からの電話かは聞かなくても察したのだろう

松田さんの優しさが現実に引き戻す



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