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秘密の時間

第13章 ◇距離

とは言ったものの…やっぱり寂しさが込み上げる。


距離が遠くなったら私の事なんて忘れてしまうんじゃないだろーか…
このまま会えなくなってしまうんじゃないだろーか


不安でいっぱいになる


「…さくら?」
そんな私の心情を悟ったかの様に顔を覗き込む


「また本社に戻ってくるよね?」
松田さんの顔を真っ直ぐに見る

「いつになるかわからないけど、きっと戻ってくる。戻ってこれるように精一杯頑張るよ」
松田さんは優しく微笑む

彼の異動は昇進で、北海道地区の社長代理になる。
北海道地区が軌道に乗ったら戻ってこれるみたいだけど、それがいつになるのかは全くわからなかった。

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