一万回目のプロポーズ
第10章 チューしな殴んぞ
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お風呂は簡単に済ませ、あたしは押し入れから布団を引き出した
しかし、重い
何重にも重なった布団は、なかなか落ちてくれない
『ふぎぎぎぎ…』
「はいはい下ろしまーす」
後ろからニュッと伸びた手は、布団を掴んで一気に引っ張った
あたしは無論、その下敷きに
『俊司ひどぃいい~』
「わりぃ、布団の下でゴニョゴニョ言っててわかんねー」
あたしはガバッと布団から出て、手元にあった枕を投げつけた
見事、油断していた俊司の顔面に枕は直撃
「うわっ、てめ…!!」
『あっ、やったなー!!』
枕や布団が部屋を飛び交う
「うら、ダブル枕…」
「きゃっきゃきゃっきゃと五月蝿ぁあーい!!!!」
担任に怒鳴られ、あたしと俊司はそそくさと布団を敷いた
『…』
「…」
くすっ
目が合うと、笑いを堪えられなかった