一万回目のプロポーズ
第2章 8年の溝
「竹村君に興味なしで山口君に興味ありとか…
明奈すごい物好き…」
『山口君だって人間だよ』
…あたし今、酷いこと言ったな…
「あ、噂をすれば…」
友達の視線を追っていくと、サッカーボールを片手に竹村…俊司が教室に入ってきた
『…』
俊司はボールを教室の後ろの方に置くと、あたしの隣にやってきた
「ちょっとゴメンなー」
俊司は、俊司の席に座るあたしの友達に
席を譲るよう頼んだ
「あ、ごめんね竹村君っ」
友達は、どこと無く嬉しそうに席を譲った
すると丁度その時、チャイムが鳴った
「あ、数学の用意してないや!!」
「え、次数学だったっけ?」
などと言いながら、友達はバタバタと自分の席へ帰っていく