一万回目のプロポーズ
第6章 もうやめて
あの雨の日
俊司があたしを"明奈"って呼んでくれるようになった日から
4日が経った
「木曜って1番だるいよなー」
机で顔を半分潰しながら言う俊司
『あとちょっとじゃん、はいはい頑張りゃー』
「頑張りゃー…あ、部活だ♪
行ってきや~す」
俊司は鞄を掴み、軽い足取りで教室を出て行った
最近はどうでもいいようなことも、普通に喋るようになった
これは進歩か…
窓の外へ目をやると、グラウンドへ向かう俊司の姿が
『…』
軽い気持ちで手を振ってみると、向こうもこっちに気づいたようで
振り返してくれた
『…///』
俊司はサッカー部の副キャプテンだ
あたしはサッカーのことなんてよく知らないけど、聞くところによると
俊司は部内で1番上手いとか…
ずるいね
そんなの…
カッコイイね…///
あたしも鞄を背負い、少しウキウキした気分で帰り道を歩いた