一万回目のプロポーズ
第6章 もうやめて
だいぶ日が暮れる時間になった
「今日の練習はここまでー、集合ー!!!」
キャプテンの呼び声に、部員みんなが集まる
「ありがとうございましたー!!」
全員、グラウンドに向かって挨拶をし
あとは好きなように散り散りとなる
「俊ちゃーん、どうやったらあんなにカット出来ちゃうわけー?」
「そりゃ…、気合い(笑)」
えー?と、俊司の適当な答に、友達はブーイング
「あ、俊ちゃんの彼女みーっけ」
そう言われて見てみると、校舎の壁にもたれたまま
こっちを見ている千尋の姿があった
「…待ってたのかよ…」
「俊ちゃん冷た~い、さっさと行ってやれって」
友達に背中を叩かれ、俊司は鞄を掴むと
千尋のもとへ走っていった