一万回目のプロポーズ
第6章 もうやめて
それから何日たったかな…
俊司とは、全然喋らなくなってしまった
…嫌われた?
かな…
…何で…?
なん…で…?
『俊司!!』
放課後に入り、クラスの誰よりも先に教室を出ていく俊司を
あたしは廊下で呼び止めた
「部活行くんだけど…」
『わ…かってるよ…』
俊司のうっとうしそうな表情が見え
あたしはつい、言いたいことを忘れてしまった
「で、何?」
『あれ…えっと、あのー…』
これをど忘れって言う
こんな時にわざわざならなくてもいいってのに…
あたしの頭は相当作りが悪いんだな…
「早くして、時間なくなる」
『あ…あたし、気に障ることした?』
俊司は少しだけ目を細める
『もしそうだったら…あ、謝るから…その…ごめん』
「別に」
『え?』
俊司はぷいっとあたしから目を逸らし、歩いていった
『ま…待ってよ俊司…』
この時
何であたしは
俊司の服を引っ張っちゃったのかな…?
「離せよ!!」
バッと俊司が
あたしの手を振り払った