一万回目のプロポーズ
第6章 もうやめて
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『おはよー俊司』
「あ…おはよ」
『?』
いつもよりテンションの低い俊司に、あたしは引っ掛かった
『熱あんのー?』
俊司の顔を覗き込むと、俊司は下唇を突き出しながら
あたしから顔を遠ざけた
『どしたん?』
「ごめん」
へ?
俊司はそのまま机に突っ伏し、眠り込んでしまった
『…』
理由はわからないけど
その時からまた少し…
俊司が、遠い存在になってしまったんだ
『修学旅行の研修先、どこに行きたい?』
「俺はディズニー」
「僕は…秋葉原がいいかと…」
「私は…どこでもいい…」
修学旅行では、班で行動することが多い
そのため、今は班ごとに研修先を決めているところだった
『俊司はどこがいい?』
「ん…」
『"ん"じゃわかんないよ、ちゃんと口にしろーい』
「どこでも…」
…つまんなかった
ほんとに突然
俊司はあたしから、距離を置くようになった