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一万回目のプロポーズ

第7章 夜の電話




《遅くにごめんなー、眠くない?》



『ん…平気』



あたしはとりあえず、ベッドの上に寝転がった




《あのさぁ…あ、ってかまず、アドレス教えて》



『…やだ』




《はあ!?》




『嘘』




俊司をちょっとからかうの…実は大好き




あたしは口で携帯のアドレスを伝えた

ついでに電話番号も










しばらくすると、携帯が鳴った



子機を右手に


携帯を左手に



耳に当てる





『もしもーし』



《おっ、スゲー!!
両方から聞こえる!!》



『ほんとだ、大発見』




《金の無駄かな(笑)》




『うん(笑)』




あたしたちは家の電話を切り、携帯で話した






『で…何?』




《あのさぁ…明奈と千尋って、仲悪かったっけ?》




『その前にさ、"明奈"か"笹川さん"か
どっちかにして』




《えー…》




しばらくの沈黙のあと

《"明奈"》


と聞こえた





この時あたしがガッツポーズをしたことは


あたしだけの秘密









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