一万回目のプロポーズ
第7章 夜の電話
《そんで二人は…なぁ、保育園の時は仲良かっただろ?》
『…まあ』
確かにその頃は、いつも一緒にいる親友だった
《何かあったの?》
お前のことだよ!!
『…あったんじゃない?』
《何だそれ?
ってか明奈さぁ、千尋に気ぃ使ってる?》
『…』
《明奈さーん?》
『使ってる…かもね』
あの嫌な思い出が
胸の中の泥沼から、ジワジワとはい上がってきた
《何で?》
…聞かないで欲しい
でも
聞いて欲しい
『何でって…』
このことは、まだ誰にも言ってない
言えない…言いたくない…
俊司にそんなあたしを
知ってほしくない
でも
あたしを知って欲しい…
『小学生の…多分、5年生の時に…―――――』
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