一万回目のプロポーズ
第8章 ドキドキの始まり
あたしたちは最初の目的地、浅草寺へ向かった
他校からの修学旅行生や外国人観光客など
かなりの盛り上がりを見せている
「受験合格祈願しよ、なんかご利益ありそう」
大平は一人で寺の方へ駆けていった
「大平元気だなぁ、俺らも行く?」
俊司の誘いに、あたしはもちろん「うんっ」と頷く
適当にその場で時間を潰し、あたしは少し土産屋に寄った
「何買うの?」
『んー、家族にちょっと』
店の棚に綺麗に並ぶ商品を見ていると、ひとつひとつ買ってしまいたくなる
『俊司も買ったら?』
「俺はディズニーで買うから」
『…』
"千尋と?"
と聞いてしまいそうになったけど、あたしは口をつぐんだ
『明日はアトラクション乗りまくらないわけ?』
「いや乗る」
えらく素直な俊司に、あたしの口元はすぐに緩んでしまう