一万回目のプロポーズ
第9章 二人でまた
「それではお入り下さーい」
係の人に案内され、あたしたちを含めた10人ほどが足を進めた
中は薄暗く、少し怖い雰囲気
知らず知らずのうちに、あたしは俊司のそばに寄っていたみたいで
俊司はあたしの頭を撫でてくれた
「怖がり」
『怖がりじゃないし!!///』
移動が終わり
アトラクションのシートに座った
シートベルトをしっかり着けて、座った場所が動き出す
『(うわわわわ…)』
自分がどんどんと地上から離れているのがわかった
高いタワーをぐんぐん上っていく
…落ちるんだよね
この上ってる分、一気に…
恐怖で汗が吹き出そうだ
すると右手が、キュッと温かいもので包まれた
『…///』
ちらっと横を向くと、俊司が握っていてくれた
「…」
『…?』
正面を向いたまま、何も言わない俊司
あ
来るな
と、乗り物が動き出しそうになった瞬間
マジこぇぇ…
と呟くのが聞こえた
そしたらあたしの恐怖なんてのは吹っ飛んで
むしろ怖がってる俊司を見てたら、笑えてしまった