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掌の浜辺

第2章 秋 - heart warming -

”記憶と復讐、忘却と苦痛で揺れ動く少女の心が祈るもの”
それは真実を思い出すこと

或 ある母は夫をなくし発狂しながら空を舞った

その家庭は父は単身赴任をしていた。月に一度の帰省を母子はとても楽しみにしながらの生活。決して裕福とは言えないその家族のもとへ届いた一通の手紙は父からのもの。今月から三ヶ月は帰ることはできないという内容。隣の国の王女からの許婚争いを解決する者としての声がかかったためである。

大反対の王女と賛成の立場の陛下であったが、両者の和解成立後、陛下は国を退いた。
許婚ではない結納を約束された執事は王子という階級へ昇進、王女のご好意により父は執事となる。

三ヶ月ぶりの親子三人での食事は幸せいっぱいのように見えた。
隣の国での執務中に耳にした王女の言葉は王子の結婚を示唆するもの。その想いにこたえたい父はその食事時に妻と娘に提案。順調に話し合いも進み結婚へと至る二人であった。そしてまた父の単身赴任は始まる。


或 ある母は娘に嘘で塗り固められた物語を語った

「おとうさんはまたしばらく隣の国での執務が忙しくなるの。争い事の和解をした功績がとても認められたのよ」
「そうなの…」

一方父は王女からの新たな執務を任される。魔女狩りである。最近頻繁に目撃されている一団があるとの情報をつかんだためだ。承知し軍を率いていったがその夜の闇に消えていった。

帰還しない執事ら。その調査を下部らを引き連れる王子に委ねる。その同刻に魔女に毒される執事らを物陰から発見しすぐさま王女へ伝える。王女の指示により妻のエリ-にも伝わる。彼女は悲嘆に暮れるが王子は励ます。そして共に復讐を誓う。母サディという父を殺めた魔女に対する復讐を。


或 その母は死す運命をたどった

「呪いを解いた、そんなはずないわ」
「ケイのおかげよ。もう効かないわ」
王子ケイの魔女狩りというかけ声とともに軍は一揆を起こしその一団を討伐。幸せな時代に戻った。

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