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掌の浜辺

第2章 秋 - heart warming -

5.無変

今日1日あった出来事を振り返りながら私は
元野球同好会のみんなと別れて図書館棟の方に
おしゃべりしながら彼と一緒に歩いていく


 「待ち合わせだったのにごめんね」
 「気にすんな?」
 「うん…」
 「俺ら帰る方向同じなの全員知ってるしょ」
 「そうだったね。ありがとう」
 「ん-ん。大丈夫」
 えへへ、って笑う私の頭にポンと軽く手を置く小野里くん。久しぶりだなぁ、こんなふうに2人きりでいるの。これからの飲み会が楽しみ♪ 歩いて20分くらいかかるけど、お話しながらだったからすぐ着いたって感じ。私たちの行きつけの居酒屋さん。何かあったらここでよく飲んでたんだけど、4年生になって就活が本格化してきたり研究論文を書かなきゃいけなくなったりで、全然行けてなかった。だからすごく久しぶりで、ちょっとわくわくしている気分。ストレス発散になるかなって思って、小野里くんが気を利かせてくれた。本当に感謝だよ。
 席についた私たちのところにおしぼりとおはしとお通しが来た。小野里くんはビ-ルを、私はモスコミュ-ルを頼む。食べものは決まってからにすふことにした。
 「カンパ-イ☆」
 グビッ
 コクコク
 「おつかれ」
 「うん、おつかれ!注文どうする?」
 「あっ、えっとね、私、鶏串食べたいな。あと、オムレツ!小野里くんは?」
 「ん-。したら、シ-ザ-サラダとポテト」
 「うんっ♪」
 店員さんを呼ぶ。お料理を注文。そのあと小野里くんはビ-ルを追加注文。私はまだ残っているからまたあとで。何だか今日は飲むよりいっぱい食べちゃいそう。さっき文化祭でクレ-プ食べたばかりなのに。太るから運動しなきゃ(>_<)
 「お-い?」
 「あっ、えっ何?」
 「考え事?」
 「別になんでもないよ」
 「そっか。ビ-ルビ-ル」

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