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掌の浜辺

第1章 春 - story -

 ギュィ- 「おっしゃあ!!」
 いつもの格闘ゲ-ムで争っているリハ研の部員たち。俺は軽く何か食べたかったから、かばんをここに置いて財布を片手にコンビニまで行ってきて、今帰ってきたところだった。
 「小野里もやろうぜ」
 「お」
 このサ-クルで一番ゲ-ム音痴な俺に勝っても何もうれしくないと思うのだが、どうやら目的はそのあとにあったらしい。
 ガサガサ
 ドサドサ
 「は?」 「これ着て。罰ゲ-ム」
 俺は一瞬ためらったが、変装の一種だと思えば気が楽だと自分に言い聞かせて、着替えを開始した。
 (よし)


暖房が入っている
とはいえ
窓越しに見える景色が灰色
だと
暖かくならないし
どうしても寒くなってしまう
脱衣中派そんなことを考えていた
けれども
扉の向こうは騒がしく
寒さなんて微塵も感じないほど
暖かい空気に包まれていた
ギャップとはこのこと
…か

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