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掌の浜辺

第1章 春 - story -

4.疲労感

天気が芳しくないとき
お日様が恋しくなるのは
私だけですか


 バスから降りて、電車に乗り換える。また立つことになってしまった。これだけ長い時間、ス-ツを着て革靴を履いて歩いたから足のむくみが気になる。学校に戻ったら、すぐ部室でマッサ-ジしよう。
 ガタンゴトン
 シュ-
 電車を降り、改札口をくぐり抜け、歩いて15分、西海浜大学に到着。私は、すぐさま法研の部室へ足を運んでいった。
 ギュィ-
 「あ、こんにちィッス」
 「おはよ-」
 がっくんは、一人寝そべって漫画を読んでいた。
 私は、靴をぬぎ、ソファ-に座って足のマッサ-ジを始めた。
 (ちょっとひどいかも)

 「これを計算すると…」
 グガ-
 スピ-
 授業の催眠効果で、ケンイチも叶もすっかりおやすみモ-ドになっていた。

 「ン゛~」
 オレは布団に顔をうずめてじたばたしていた。金がない、食料もない、腹は満たされない。
 「モゴモゴ(誰か恵んでくれ~)」
 と言っても、空気中に吐き出されるだけで何も起こらない。あ-腹減った。
 グ-  ブ-ブ-
 ブ-ブ-
 「ケ-タイ鳴ん…モゴモゴモゴ(ケ-タイ鳴んなくていいから~ 腹鳴ってるけど…)」
 もうオレは寝ることにした。空腹を紛らわすために。

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