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か け ら

第74章 ココア


雄也の自転車の後ろに
乗って
学校を出る



付き合って1年ちょっと
こうして駅まで送ってもらうのが
日課になっている



赤信号で止まった時に
雄也が急に振り返り
何やらゴソゴソしだして
不思議に思っていると


自分が巻いていたマフラーを
私にグルグル巻きつけてくる


「私、大丈夫だよ
雄也の方が風当たって寒いでしょ?」


『チャリ漕いでたら
暑くなってきたから
ちょっと持ってて』


さりげない優しさに
胸が暖かくなって
ギュッと抱きつくと
軽く私の手を包み込んでくれた



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