マジックオブジェクト
第3章 学校
「ふぅ……。」
自転車から降りて一息つく。
学校の敷地内に自転車を置くと俺はすぐに教室に向かう。
7時くらいだと余程熱心な運動部員がいるくらいで校舎内はほとんど誰もいない。
「よし……。」
教室に入った俺は『マジックオブジェクト』を発動した。
「“探索”―『サーチ』」
呟くと途端に視界が変化する。
「異常はなさそうだな……。」
視界を広げ校舎内を見渡す。
全て俺がかけているメガネの力だ。
『限定探視』の力を持つこのメガネは半径1㎞のことなら何でも見ることができる。
「ふぅ……。」
毎朝の日課を終え息を吐く。
すると
ガラッ
「……。」
クラスメートの夢童が入ってきた。
「よお。」
片手をあげて挨拶してみる。
「……。」
だがコクリと頷いただけで夢童は俺の前を通過していった。
なんとなく視線で追ってみる。
目元まで覆い隠す長い髪でほとんど顔は見えない。
細めの体でいかにも貧相な感じがする。
両耳にはイヤホンをして何やら音楽でも聞いているらしい。
「……。」
俺の視線に気づいたのか彼は俺を軽くにらむ。
慌てて目を逸らすと彼は満足したようで鞄から出した本を読み始めた。
…両耳にイヤホンをしたままで。
変な奴などと失礼な事を考えてからよく考えれば『マジックオブジェクト』を持っている自分のほうがよっぽど変だと気づきため息をついた。
自転車から降りて一息つく。
学校の敷地内に自転車を置くと俺はすぐに教室に向かう。
7時くらいだと余程熱心な運動部員がいるくらいで校舎内はほとんど誰もいない。
「よし……。」
教室に入った俺は『マジックオブジェクト』を発動した。
「“探索”―『サーチ』」
呟くと途端に視界が変化する。
「異常はなさそうだな……。」
視界を広げ校舎内を見渡す。
全て俺がかけているメガネの力だ。
『限定探視』の力を持つこのメガネは半径1㎞のことなら何でも見ることができる。
「ふぅ……。」
毎朝の日課を終え息を吐く。
すると
ガラッ
「……。」
クラスメートの夢童が入ってきた。
「よお。」
片手をあげて挨拶してみる。
「……。」
だがコクリと頷いただけで夢童は俺の前を通過していった。
なんとなく視線で追ってみる。
目元まで覆い隠す長い髪でほとんど顔は見えない。
細めの体でいかにも貧相な感じがする。
両耳にはイヤホンをして何やら音楽でも聞いているらしい。
「……。」
俺の視線に気づいたのか彼は俺を軽くにらむ。
慌てて目を逸らすと彼は満足したようで鞄から出した本を読み始めた。
…両耳にイヤホンをしたままで。
変な奴などと失礼な事を考えてからよく考えれば『マジックオブジェクト』を持っている自分のほうがよっぽど変だと気づきため息をついた。