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第1章 『リモコン』

「あんた興奮すんのは勝手だけどその汚いものはしまってくんねーか?」

和魔の言葉に男は自分の性器をちらりと見る。

瞬間、

「…っ!」

和魔が走り出す。
なるべく音がたたないように走っていたが

「う、動くなといっただろうが!!」

男が裏がえった声で叫ぶ。
右手にはリモコン左手にはナイフを持っている。
右手のリモコンが魔奈に向く。

「…させるかよ。」

和魔の右手が閃きリモコンの先端を掴む。

「ぐっ…。」

和魔の動きが一度止まり再び動き出す。
男が押したボタンは5。
つまり…

「うわ……。」

和魔の目の前に汚物が。

「…魔奈さっさとやれ。」

全力で頭を後ろに戻そうとしながら和魔は呟く。

「よくもやってくれたわね…。」


ギロリと男を睨む魔奈。

男がリモコンを魔奈に向けようとするが和魔がそれを抑える。

「死になさい!!」

魔奈がマントの下から取り出したのは…。


「ま、待った!!それ俺まで巻き添えに…!!」

「私の痴態を見た罰よ…!!」


ピンク色の香水。
それを和魔の方に向ける。


「悪夢の中で朽ちなさい!!」


その言葉と共に漂ってきた花の香りに和魔は意識を失った。

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