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ライアンside


ケンを託児所に預け
仕事に向かう

僕は彩華になんとも言えない
感情を抱いていた

それは
愛と言うより
懐かしいの方が近いだろう

兄弟に会ったような感覚だ


昼間
オフィス街の片隅にある小さな
設計事務所のオーナー


夜は
観光客相手にシェイカーを振る


特に日本人は多い


彩華も例外なく僕に近づいてきた


違うのは


いつもしない
ケンの母親の話をしたときだ




ビックリするほど



大粒の涙を流した彩華に





ショックを受けた


声も出さずにただ頷く


それも


ケンを抱き寄せたまま




｢あなたのママになるわ｣


その微笑みに



天使だと錯覚してしまった