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ひと夏のアバンチュール

第8章 ケンと私とママ

ご飯を食べた後
一緒にお風呂に入った

ケンは恥ずかしそうに
なかなか服を脱がない

「ケンは入らないのね?」

「・・・だって・・・」

「じゃそこで待っててね」

「・・・入っていいの?」

「いらっしゃい」

それから
一時してから入ってきた

ケンは託児所のお友達に
ママがいないのは
ケンが悪い子だから
居なくなったって言われたんだ

だからママいるよ!!

言っちゃったんだ

でもみんな
ケンは嘘つきって虐めるから

彩華のところに来たんだよ


「えらかったわね」

抱きしめて頭を撫でた

ママがいない寂しさに今まで
耐えてきたんだもん


「彩華ママになるって言ったんだよ。僕のママにいつなるの?」

「ごめんね
ケンのママにはなれない。私にはユウってケンと同じ年の女の子がいるの」

「・・・それって結婚してる?」

「そうよ」

「・・・・・・・・・・・・・」



ケンは
大粒の涙をこぼし出し

そして
私を見ようとはしなくなった

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